親知らずを抜くために人生初の手術&入院をしました。
久しぶりのブログ更新が、まさかの親知らずの手術の内容になるとは、私自身も思っていませんでしたが、私の人生の中でも貴重な経験だと思うので、体験談を残したいと思います。
親知らずの抜歯を控えている方、親知らずを抜こうか迷っている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
親知らずの抜歯で人生初の手術と入院
そもそも、なぜ親知らずの抜歯を歯科医ではなく病院での手術で行うことになったのか、その流れについてお話していきます。
なぜ親知らずを抜くことにした?
結論から言うと、虫歯を防いだり、今後の口内トラブルを避けるためです。
私の下の親知らずはいわゆる生えかけの状態で、頭部分だけ出てきている状態で、以前から気になっていました。
親知らずのせいで歯磨きはしにくいし、昔から虫歯になりやすい体質と言われていた私は、どれだけ歯磨きをしても2,3年に1回は虫歯ができていました。
そこで、いっそ親知らずをすべて抜いてしまおうと、定期検診に通っている歯医者さんに相談しました。
上の親知らずは2本ともしっかり生えていたため、歯医者さんでものの5分程で抜歯完了。
「なんだ、親知らずの抜歯はこんなもんか〜」と思っていたら
「下は一週間ぐらい痛むよ」と言われて、一旦その場では抜歯を断念。
しかし、若いうちに抜いた方が良い、女性は妊娠や出産の前に抜いた方が良いというアドバイスもあり、意を決して抜歯をすることにしました。
歯科医では抜けない厄介な親知らずを抱えていた
下の親知らずを抜こうと行きつけの歯科医に行ってCTを撮影してもらいました。
歯科医の先生によると、私の親知らずは「横向きに生えている」「神経に近い」「根っこが分かれている」という3重苦。
どうやら歯医者の設備では抜歯が難しいということで、自宅から一番近い総合病院の紹介状をもらいました。
そして、総合病院の口腔外科で相談したところ、歯茎を切って、場合によっては骨を削る手術が必要だとの診断が。
ですが、どうせ手術が必要なら早いほうが良いので手術をすることに。
そして仕事を何度も休むことはできないので、どうせなら2本とも一気に抜いてもらうことに。
コロナで入院は減らしているが、下2本の抜歯は大掛かり+私の親知らずが厄介な生え方をしているため口腔外科の先生も頭を抱えるような難しい手術になりそう、とのことで3泊4日で入院することに。
今まで健康に過ごしてきた私は、初めての入院をすることになりました。
ただしコロナの影響もあり初めての診察の1ヶ月ちょっと後になったため、入院のための諸々の準備はゆっくりとできました。
親知らずの下2本同時抜歯は普通やらない?
一般的に、親知らずを2本抜くときは、右上下、左上下のように左右でわけるそうです。
なぜなら食事ができなくなるから!!!!
正しくは、噛めなくなる、なのですが、実質普通の食事ができなくなります。
そのため親知らずの下2本同時抜歯を考えている人は、食事は流動食や細かくしたものしか食べられないことを覚悟しましょう。
私は入院だったので、食事の手配は病院にお願いすることができました。
手術は全身麻酔ではなく「静脈鎮静法」
私が行った総合病院では、親知らずを抜歯する場合、まず入院を伴う手術をするかどうかを聞かれました。
入院をしない場合は、局所麻酔で抜歯を行うとのことです。
入院をする場合は
- 全身麻酔
- 静脈麻酔
の2つの方法から選べるとのことです。
全身麻酔は意識が完全になくなった状態で手術を行います。
静脈麻酔は、静脈に麻酔を入れることで本人は眠っているような感覚で手術を受けることができて、人によっては手術中の記憶がない人もいるとか。
どちらにせよ局所麻酔と併用なので傷みを強く感じる可能性は低いとのことと、全身麻酔は費用は10万近くになるという口腔外科の先生のアドバイスから、静脈麻酔を選びました。
そして、その日のうちに入院に必要な検査を受けました。
平日午前しか空いていない総合病院で、有給を使っていたので1日で完結させてくれる配慮は、とても助かりました。
レントゲン、採血、検尿、心電図、問診などを行い、入院の説明を受けて帰宅しました。
入院一日目はとても暇
ついに来た入院初日は、準備日のようなもので検査を行うだけでした。
そのため、検温や血圧検査、口腔外科の先生の診察を受けて手術のスケジュールを聞くだけで一日が終わりました。
幸い、私は親知らずが痛すぎて入院とか手術をしているわけではないので、手術前には点滴や投薬は必要ありませんでした。
ただ、口腔外科の先生から親知らずの手術の説明を受けた際に
「後遺症が残るかもしれない」ということは説明されました。
親知らずの抜歯の際に、神経を傷つけてしまうリスクもあり、顎や頬、歯茎などが麻痺したり味覚障害が残る可能性があるとのことです。
特に私の場合は厄介な親知らずの生え方をしているため、リスクは高めとのこと。
診察後は看護師さんが定期的な検温に来てくれる以外はやることがないため、暇な分後遺症についてかなりマイナスに考えていました。
ただ、手術はリラックスして臨むことが大切だと看護師さんにアドバイスをもらったので、「痛くない」「無事に終わる」と言い聞かせて、次の日を迎えました。
ついに、親知らず下2本同時抜歯の手術当日の朝がきました。
慣れない病院のベッドで目を覚ますと、すぐに看護師さんが朝食を運んできてくれました。
当たり前ですが、まだ普通の朝食です。笑
ごはん、味噌汁、焼き魚、おひたしといったメニューを食べて朝食は完了。
親知らず手術前は絶食
13時から手術の予定だったのですが、その日は11時以降絶飲食と言われていました。
食事だけではなく、水分もとらない状態です。
朝食後は空腹ではありませんでしたが、まだ気持ちにも余裕があったので、病院の売店に行き、プリンやヨーグルト、ポカリなどを購入しました。
親知らずの下を抜くのは痛い、腫れる、大人でも泣くほどと友達に言われていたため、手術後は食事ができないものと考え、先に固形物を食べる作戦です。笑
そして絶飲食から2時間後、執刀医の先生が出してくれた手術への緊張を和らげる薬を飲んで、手術着に着替えて準備完了です。
緊張の手術スタート
私の場合、手術が始まるまでいたって元気なので、自分で手術室まで移動するスタイルでした。
ただ、手術終りは麻酔が効いている+親知らずを抜いた痛みがある可能性があるとのことで、車椅子で手術室まで運んでもらえるとのこと。
車椅子に乗ったまま初めて見る手術室の景色に大緊張でしたが、先生の指示で自分で手術台に寝転びました。
「麻酔しますよ〜」の声とともに、手の甲に点滴を入れるように静脈麻酔を入れられます。
目元はタオルをかけてもらって暗くなります。
このとき、執刀医の先生から「眠くなったら寝てて良いですよ〜」と言われて「はい」と返事をしたのは覚えていますが、次に目を覚ましたのは、なにかしらの痛みを感じたときでした。
「痛っ」と目を覚ますとまさに口の中に器具を突っ込まれている状態。
そうです、いつの間にか眠ってしまっていて、手術の真っ最中でした!!
どうやら麻酔が足りていなかったようで、看護師さんの「麻酔足しますね〜」の声が。
ただ、激しい痛みを感じたわけではなく違和感?のようなもので局所麻酔をしているので歯医者さんで感じるような痛みや、歯茎を切られている痛みはありません。
そして麻酔が足された影響かその後すぐに私は再度意識を失いました。
「〇〇さん、大丈夫ですか、起きれますか」
と肩を叩かれて起きると、手術が終わっていました。
「え?もう?ほとんど意識なかったけど????」
静脈鎮静法は本当に眠っている間に手術が終わってしまいました。
まだ麻酔が効いているため痛みはありませんが、親知らずがあった部分には違和感が。
だいぶ大きく歯茎を切って、顎の骨もかなり削ったとのことですが、吐き気などもなく、自分で手術台を降りて車椅子に乗ることができました。
病室まで運んでもらい、手術後2時間は安静+絶食とのことです。
点滴をしてもらうので動けないですが、看護師さんに水だけ近くに置いてもらって、そのまま寝てしまいました。
術後はほんのり痛みが
点滴の間中ずっと寝ていたのですが、看護師さんに起こされていつの間にか夕ご飯の時間です。
夕ご飯の前に、処方されたうがい薬で傷口を消毒しますが、口の中はもちろん顎のあたりにじんわりと痛みが。
口を大きく開くことができない状態でした。
さすが親知らず、ダメージが大きい。
念の為痛み止めを飲んで食事をします。
夕ご飯はいわゆる病院食できざみ食でした。
おかゆ、刻んだお肉、玉ねぎ、玉ねぎピーマンなど、結構味がしっかりしているので、おかゆといっしょに流し込んで味わえました。
きゅうりの酢の物は酸っぱい成分を吸う?感じ。
そして一番美味しかったのがみかんです。
柔らかいし冷たいしで親知らず抜歯後の体に染みました。笑
病院食と言うと、言い方は悪いですが味がなくて美味しくないもののイメージがあったのですが、私は親知らず以外は健康なので、むしろしっかりカロリーと栄養をとれる味付けとメニューだったようです。
看護師さんからは、痛みが出てきたり我慢できなかったりしたら、すぐに言ってね!点滴で痛み止めを入れるから、と言われて安心でした。
就寝前に痛み発生
食事後、検温をしたり点滴を受けたりして就寝時間になりましたが、なんだか痛みが。
看護師さんに伝えると、眠れないといけないので点滴で痛み止めを入れましょうとのこと。
そして点滴してもらってすぐに寝れました。
これもし日帰りの手術で、自宅でこの状態だったら、、、、と思うと怖いところもあり、結果私は入院での親知らず抜歯を選んで良かったと思っています。
手術の次の日は発熱
次の日、病院のベッドの上で目を覚ますと汗だくになっていました。
病院はずっとエアコンが効いている+重たい布団のせいで汗をかいたと思いましたが、検温してもらうと38度の熱が。
そして相変わらず口は大きくひらけません。
親知らずの抜歯後には、顎の骨を削ったりした影響で熱が出ることもあるとか。
執刀医の先生に傷口を見てもらいましたが経過は順調で、なんと後遺症もゼロ!
発熱だけなので、点滴や抗生物質で様子を見ることになりました。
もちろん食事はきざみ食で、水分補給をこまめにとのこと。
前日に買っていたポカリがここで役に立ちました。
食事以外は一日中ベッドで過ごして体力を回復しました。
驚いたのは、抜歯特有の痛みがなかったこと!
口腔外科の先生が「あんなに骨削ったのに痛くない?」とびっくりする程でした。
親知らずの下2本を同時に抜くとなると、相当の痛みを覚悟して、夜は寝れないだろうとまで考えていたので、爆睡できた運の良さに感謝です。
手術2日後には普通に動けるように
次の日には熱も下がり、体のだるさや重さもなくなりました。
ただ依然口は大きく開けられないし、傷口は軽く痛みがあります。
ほっぺたも少し腫れていますが、診察をしてもらうと経過は順調で、予定通り次の日には退院できるとのこと。
その日もほとんどをベッドの上で過ごし、点滴や検温をこなして一日が終わりました。
辛かったことと言えば、お風呂やシャワーが2日間できていないこと。
術後は我慢と言われていたし、まだ寒い時期でしたが、やはり体を洗うだけでもしたかったので、早く退院したい気持ちでした。
親知らず抜歯2日後ですが、引き続き食事はきざみ食でした。
一応、食事どうしますか?と聞かれたので普通の食事に戻すこともできたみたい。
親知らずの抜歯は退院後が辛かった
次の日午前中には無事に退院して、一週間後に抜糸することになりましたが、痛みがでたのは家に帰ってからでした。
口が開けないことはもちろん、術後日が経過するにつれて顎あたりに鈍痛が。
病院でもらっていた痛み止めを飲んでなんとか乗り越えました。
そして、病院では当たり前のようにでていたきざみ食を自分で用意するのが大変です。
おかゆだけだと栄養がうまくとれず傷の回復が遅くなるとのことだったので、野菜を小さくしたり、フルーツを小さくして食べたり、高タンパクのヨーグルトなどを食べました。
親知らずの下2本同時抜歯を考えている方は、術後1週間は噛むことができないと思って諸々準備すると良いと思います。
実際に私がそうでした。
幸い在宅勤務のため、自宅で食事の準備ができましたが、オフィスなどではお粥や柔らかい食品が手に入らない可能性があるのでお気をつけください。
親知らずの下2本同時抜歯を経て思うこと。
私のように特殊な状況ではない限り、右2本、左2本のように左右分けての抜歯をおすすめします。
その方が食事に困りません。笑
ただ、私のように下を2本まとめて抜きたい、または親知らず4本同時抜歯したい人は手術や入院をする方が治りが早く、復帰もしやすいと思いました。
日帰り手術と比べると、費用がかかり準備時間も必要ですが、
- 点滴などの設備がある
- 看護師さんが定期的に見に来てくれる
- 口腔外科の先生の診察を術後に受けられる
上記のことを踏まえると、入院してよかったと思います。
親知らずを静脈鎮静法で抜いた感想
今回初めて静脈鎮静法で手術を受けましたが、麻酔を入れてもらった後は、眠くてウトウトしている時のような感じです。
というかむしろ私は爆睡していたのですが。笑
なので、本当に眠っている間に終わった感覚で、手術中の記憶はほとんどありません。
体感の経過時間も短かったことも考えると、全身麻酔よりもお手軽で、私はこの方法を選んで良かったです。
ただ、口腔外科の先生によると歯医者さんでの治療に恐怖がある方や、口の中に器具を入れると吐き気がする方は全身麻酔の方が良いとのこと。
自分の環境や状況を相談して親知らずの抜歯手術に臨むのがベストだと思います。
親知らずの下2本抜歯でかかった費用は?
ざっくりの費用は
事前の検査(約10,000円)+手術・入院・薬(約55,000円)でした。
55,000円には、入院中の食事代や点滴代なども含まれています。
ちなみに、病室は大部屋で別の費用はかかっていません。
コロナ禍での入院はどんな感じ?
コロナ禍での入院ということで、普段使用されている入院のしおりとは違う箇所がいくつかありました。
- 面会は基本的にNG。(家族を含む)
- 荷物の受け渡しなども限られた時間のみ、面会はなしで職員への手渡しで。
- 大食堂の利用は中止、食事は基本的に一人で行う。
- 一時帰宅、外泊、外出はNG。
といった感じで、感染予防のため一度入院すると外部との接触を遮断になります。
また、大部屋ですがベッドの周りのカーテンは常に閉めている状態で、看護師さん以外とは基本会話もしません。
ちなみに、私が入院したときには個室がずっと埋まっている状態で、大部屋しか空いていませんでした。
入院中、常にマスク着用を義務付けられるわけではありません。
これは、体調面や手術箇所に影響がでないようにとのこと。
マスクができない分、他のところで感染対策をして、人との接触を最大限に減らす形で看護師さん含め動いてくださっていました。
ということで、無事に親知らず下2本同時抜歯という大イベントを終えることができて、口腔外科の先生、看護師さんを含めた病院の方に感謝しかありません。